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"寝そべり投法"

蓋野球、規則では「ピッチングプレートに足を着いており、公序良俗に反したフォーム(一体どんなフォームなのか)でなければ認める」記述がある。そこで私Dr.稲荷はとある投法を思いついた。それは「寝そべり投法」である。文字通り、寝そべりながらピッチングプレートに足を着けて投げるのだ。

一見バカげていると思われるかもしれないが、これにはキチンと利点がある。まず第一に、リリースポイントと打者間の距離が通常の野球のフォーム(以下野球投げと呼称)に比べて圧倒的に短いのだ。 考えてみてほしい。野球投げでは踏み込んでせいぜい1m程度であるのに対し、寝そべって全力で腕を伸ばせばなんと2mを優に超えるのだ(もちろん身長にも依るが)。リリースポイントだけでおよそ1mも違う。これだけでも大きなアドバンテージと言えるだろう。

次の利点として、下から来る独特の軌道が生まれることが挙げられる。これは野球においてもアンダースローがその独特な軌道で打者を惑わしているところを見れば、その有用性は火を見るよりも明らかである。何よりアンダースローでも珍しいので驚かれるのに、寝そべり投法は"寝そべる"のである。打者は驚きや困惑、バカにされているのかという怒りの感情が生まれるであろう。そうすればこちらの思う壺なのだ。ウツボの思う壺というヤツである。人間は平常心を保ってこそ力を発揮できると著者は考える。そこをただの投げ方一つで逆撫で出来るとあれば、3つ目の利点としてもいいかもしれない。

しかし、このパーフェクトロジック投法にも実は弱点が存在する。

それは主に野外で蓋野球をするときに生じる。そう、地面の問題だ。砂であれば砂で汚れ、前日が雨なら泥だらけになり、コンクリートなら硬くて痛く、芝であればくすぐったいのだ。これはデメリットと言わざるを得まい。だが室内であれば話は別である。砂もなければ雨もなく、芝もないのだ。硬い床さえ克服すれば、存分に寝そべり投法の全力をお見せすることができるだろう。

アンダースローみたいに打者を幻惑するピッチングがしたい! だけど下半身の負担を考えるとあんまり使いたくない…」そうお考えのそこのあなた。是非ともこの"寝そべり投法"を使って打者を手玉に取り、蓋野球を楽しんでいただければ幸いだ。では、またどこかの大会で会おう。

※この記事を読んで寝そべり投法を用いた場合の損害などについて、著者は一切の責任は負いません。予めご了承の上でお使いください。

文 稲荷

https://twitter.com/AnoFoxes_Inari/status/1011434176464150528